「クマのプーさん」の作品情報
タイトル情報
タイトル:「クマのプーさん」
著者:A.A.ミルン
翻訳: 石井 桃子
出版社:岩波書店
発行日:2000/06/16
ISBN:9784001140088
楽しめる年齢の目安:小学生から楽しめそうです!
岩波少年文庫版は1956年に「クマのプーさん」を刊行していますが、
創刊50年を迎えた2000年に、本の左右の幅を7ミリ増し、ゆったりと読みやすい判型にリニューアルしました。
後ほどご紹介しますが、続編の「プー横丁にたった家」を一緒に収めたハードカバーの愛蔵版もあります。
作者情報
「クマのプーさん」(原題”Winnie-the-Pooh”)は、1926年に発表されたA・A・ミルンの児童文学です。
A・A・ミルンは、イギリスの詩人で、劇作家としても活躍しました。
ロンドン生まれで、ケンブリッジ大学では数学を専攻しましたが、文筆家になろうという決心は変わらなかったそうです。
風刺雑誌「パンチ」の編集助手をつとめ、自らも大いに筆をふるっています。
1924年に発表した幼い息子を主人公にした詩集「クリストファー・ロビンのうた」が大成功をおさめ、2年後に代表作「クマのプーさん」が誕生するきっかけとなりました。
1928年には同様の構成をもつ続編『プー横丁にたった家』(原題”The House At Pooh Corner”)も発表されました。
「クマのプーさん」のシリーズはこの二つの物語集と、二つの詩集「クリストファー・ロビンのうた(原題”When We Were Very Young”)」(1924年)「クマのプーさんとぼく(原題”Now We Are Six”)」(1927年)の計4冊からなっています。
E.H.シェパードは、A.A.ミルンとともに話し合いを重ねながら、挿絵を手がけており、デザインやレイアウトにもたずさわりました。
日本では1940年に「熊のプーさん」、1942年に「プー横丁にたった家」が石井桃子の翻訳で、岩波書店より刊行されています。
石井桃子の翻訳は、古風な言葉づかいで独特の味があると思うのですが、現代の言葉づかいとしては、不自然に感じるかもしれません。
小学生が読めるように、ほとんどの漢字にはフリガナがふってあります。
ひらがな表記も多いので、大人にとっては読みづらいかもしれないですね。
メディア展開
ディズニーアニメでの「くまのプーさん」として知っている方が多いかもしれません。
実写の映画なども発表されているので、気になる方はチェックしてみてくださいね!
くまのプーさん/完全保存版(アニメ)
引用元:「くまのプーさん/完全保存版 MovieNEX」予告/ディズニー公式サイト
タイトル:アニメ『くまのプーさん』
監督:ウルフガング・ライザーマン、ジョン・ラウンズベリー
ブルーレイやDVDでも発売されています。
ディズニーがはじめに「くまのプーさん」のアニメを発表したのは1966年の短編映画『プーさんとはちみつ』でした。
つづいて1968年に『プーさんと大あらし』、1974年に『プーさんとティガー』が発表されました。
今回紹介している『くまのプーさん/完全保存版』は、この3作を収録したものです。
これ以降もディズニーはたくさんの「くまのプーさん」のアニメ映画を制作していますが、原作とは全く関係のないオリジナルストーリーのものも多いです。
くまのプーさん/完全保存版(アニメ)を視聴する方法はこちらから。
映画『プーと大人になった僕』
引用元:「プーと大人になった僕」MovieNEX 予告編/ディズニー公式サイト
タイトル:『プーと大人になった僕』
監督:マーク・フォースター
主演:ユアン・マクレガー(クリストファー・ロビン)
映画『プーと大人になった僕』(原題”Christopher Robin”)は、2018年にアメリカで公開されたファンタジー映画です。
日本でも上映されたので、プーさんファンとして観に行きました!
プーさんに癒されること間違いなしなので、疲れた大人におすすめです!!
内容は、A.A.ミルンの児童文学『クマのプーさん』と、ディズニーアニメシリーズ『くまのプーさん』がミックスされています。
親友のクマのプーや仲間たちと別れて長い年月が経ち、大人になったクリストファー・ロビンが主人公。
仕事人間となっていたクリストファー・ロビンは、プーと再会し、大切なことを思い出すことに…。
プーさんの世界観が崩れていないので、原作ファンにもおすすめですよ!
映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』
引用元: 『グッバイ・クリストファー・ロビン』プロモーション映像/20世紀フォックス ホーム エンターテイメント
タイトル:『グッバイ・クリストファー・ロビン』
監督:サイモン・カーティス
主演:ドーナル・グリーソン(A.A.ミルン)
映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』(原題”Goodbye Christopher Robin”)は、2017年に公開されたA.A.ミルンの伝記映画です。
原作は、生前のクリストファー・ロビンが唯一執筆を許可した作家、アン・スウェイトによる伝記。
第一次世界大戦により心に深い傷を負ったミルンと妻・ダフネ、後に生まれるクリストファー・ロビンとナニーのオリーブが織りなす物語となっています。
『クマのプーさん』誕生の経緯と、成功の影で家族が味わった矛盾する思いが描かれました。
A.A.ミルンが大人気だった「クマのプーさん」シリーズを4作で打ち切ることにした経緯や、ミルンとクリストファーの親子関係についても描写されています。
日本では劇場公開はされていないのですが、ブルーレイ&DVDの発売や動画配信されています。
合わせて読みたい
「くまのプーさん」は、原作のシリーズから、翻訳者が異なるもの、絵本や幼い子向けのものも出版されています。
遺族が認めた続編もありますので、気になったものは、ぜひ手にとってみてください!
岩波少年文庫のシリーズ2冊
タイトル:「クマのプーさん」「プー横丁にたった家」
作:A.A.ミルン
挿絵:E.H.シェパード
訳:石井桃子
岩波少年文庫
原作のシリーズ2冊で、岩波少年文庫から出版されています。
2作を1冊で楽しめるハードカバー
タイトル:「クマのプーさん/プー横丁にたった家」
作:A.A.ミルン
挿絵:E.H.シェパード
訳:石井桃子
出版:岩波書店
1962年に刊行された『クマのプーさん』と『プー横丁にたった家』が1冊に収められたハードカバーの愛蔵版です。
1956年にイギリスで刊行された”The World of Pooh”を原書としており、E.H.シェパードによる色鮮やかなカラーイラストが特徴です。
装丁にこだわった80年記念愛蔵版の2冊
タイトル:「クマのプーさん Anniversary Edition」「プー横丁にたった家Anniversary Edition」
作:A.A. ミルン
絵:E.H.シェパード
訳:石井桃子
出版社:岩波書店
2006年に刊行されたオリジナル創刊80周年を記念した「Anniversary Edition」です。
E.H.シェパードのカラーイラストはもちろんのこと、紙の材質や装丁にもこだわった、ハードカバーの愛蔵版。
A.A.ミルンとE.H.シェパードによる詩集2冊
タイトル:「クリストファー・ロビンのうた」「クマのプーさんとぼく」
作:A.A. ミルン
絵:E.H.シェパード
訳:小田島雄志・小田島若子
出版社:河出書房新社
『クリストファー・ロビンのうた』(原題”When We Were Very Young”)と『クマのプーさんとぼく』(原題”Now We Are Six”)は、A.A.ミルンによる詩集です。
2冊ともに、E.H.シェパードの挿絵がふんだんに盛り込まれ、「クマのプーさん」シリーズの世界をより深く味わえますよ。
この2冊の詩集は、日本では1978~1979年にかけて、小田島雄志・小田島若子訳で晶文社より刊行されましたが、現在は、河出書房新社より新装復刊されてます。
4作を1冊で読める永久保存版!
タイトル:「クマのプーさん全集―おはなしと詩」
作:A.A. ミルン
絵:E.H.シェパード
訳:石井桃子
出版社:岩波書店
A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵の4冊が1冊に収められたのが、1997年に岩波書店から刊行された『クマのプーさん全集―おはなしと詩』です。
とても重たいのですが、母にねだって買ってもらったお気に入りの1冊です。
この本が特別なのは、「クマのプーさん」の物語を、E.H.シェパードのカラー挿絵で楽しめるところ!
岩波少年文庫と河出書房新社で1冊ずつ全てそろえても、このカラー挿絵はみれません。
違う翻訳で楽しみたい方へ!
クラシックな原作シリーズがひらがなばかりで、大人には読みにくいと感じた方、古めかしい日本語訳が苦手な方は、現代の感覚に合わせた新訳でチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
角川文庫『クマのプー』
タイトル:「クマのプー」「プー通りの家」
作:A.A.ミルン
挿絵:村上勉
訳:森絵都
出版:角川文庫
直木賞作家の森絵都による新訳『クマのプー』と『プー通りの家』は、角川文庫より2017年に刊行されました。
大人向けで漢字が多めというところもあって、表現が現代語なので、すらすら読めます。
森絵都自身が児童文学も書く方なので、キャラクターも可愛らしい描写です。
挿絵を担当したのは、佐藤さとる「コロボックル」シリーズの挿絵でも有名な村上勉です。
電子書籍版では、村上勉の挿絵をカラーで楽しむことができますよ。
新潮文庫『ウィニー・ザ・プー』
タイトル:「ウィニー・ザ・プー」「プーの細道にたった家」
作:A.A.ミルン
挿絵:100%ORANGE
訳:阿川佐和子
出版:新潮社
新潮文庫より2016年に刊行された『ウィニー・ザ・プー』は、テレビでも有名な阿川佐和子による新訳です。
文庫本なので、やはり大人向けです。
クリストファー・ロビンがプーを「ばかちん」と呼ぶところなど、柔らかく甘いイメージでした。(ちなみに石井桃子訳は「バッカなクマのやつ!」)
冒頭で「ウィニー・ザ・プー」という名前の由来をクリストファー・ロビンが説明してるところは、石井桃子訳でも、森絵都訳でも省略されていたのですが、新潮文庫版では「クマのプー」ではなく、「ウィニー・ザ・プー」であるわけがわかります。
挿絵を手がけたのは、人気イラストレーターの100%ORANGEです。
幼いころから楽しみたい!絵本など
クマのプーさんのシリーズは、絵本や児童書として、幼い子でも楽しめるものが出版されています。
まだ小説が難しい場合には、こちらからチャレンジしてみてください!
選りすぐりの3話を1冊の絵本で!
タイトル:『絵本 クマのプーさん』
作者:A.A.ミルン作
絵:E.H.シェパード
訳者:石井桃子
出版:岩波書店
発行:1968年
『絵本 クマのプーさん』(原題”The Pooh Story Book”)は、1965年に刊行された大型絵本です。
日本では1968年に刊行されました。
E.H.シェパードが描いたプーさんの挿絵は、『クマのプーさん』初版の1926年のときはモノクロでした。
その後、カラーや描き直し、描き下ろしの挿絵のバリエーションも増えています。
『絵本 クマのプーさん』は、新たに描き直されたカラーイラストです。
岩波少年文庫と絵を見比べてみるとおもしろかもしれません。
『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』から、次の3つのお話を選んで収めた楽しい絵本。
①「プー横丁にイーヨーの家がたつお話」(『プー横丁にたった家』より)
②「コブタが、ぜんぜん、水にかこまれるお話」(『クマのプーさん』より)
③「プーが、あたらしい遊戯を発明して、イーヨーが仲間にはいるお話」(『プー横丁にたった家』より)
「クマのプーさんえほん」全15冊
1982年から、岩波書店より刊行された『クマのプーさんえほん』は、全15冊のシリーズ絵本があります。
E.H.シェパードのカラーイラストが豊富です。
1冊ごとに1話完結でお値段もお手頃なので、好きなお話だけ読んでみるのもおすすめです。
子どもが初めて読むのに、最適ですね。
シリーズ一覧
1.プーのはちみつとり(『クマのプーさん』より)
2.プーあなにつまる・ふしぎなあしあと(『クマのプーさん』より)
3.プーのゾゾがり(『クマのプーさん』より)
4.イーヨーのたんじょうび(『クマのプーさん』より)
5.カンガとルー 森にくる(『クマのプーさん』より)
6.プーのほっきょくたんけん(『クマのプーさん』より)
7.コブタと大こうずい(『クマのプーさん』より)
8.プーのたのしいパーティー(『クマのプーさん』より)
9.イーヨーのあたらしいうち(『プー横丁にたった家』より)
10.トラーのあさごはん(『プー横丁にたった家』より)
11.トラー木にのぼる(『プー横丁にたった家』より)
12.プーあそびをはつめいする(『プー横丁にたった家』より)
13.ウサギまいごになる(『プー横丁にたった家』より)
14.コブタのおてがら(『プー横丁にたった家』より)
15.フクロのひっこし(『プー横丁にたった家』より)
「はじめてのプーさん」全3冊
タイトル:『プーのはちみつとり (はじめてのプーさん)』『プー あそびをはつめいする (はじめてのプーさん)』『イーヨーのあたらしいうち (はじめてのプーさん)』
作者:A.A.ミルン
絵:E.H.シェパード
訳者:石井桃子
出版:岩波書店
発行:2016年
2016年に岩波書店より刊行された、「クマのプーさんえほん」シリーズより3冊をリニューアルした「はじめてのプーさん」シリーズです。
最晩年のE.H.シェパードによる彩色原画を挿絵に採用しています。
次の3話を新しい装丁の絵本で読むことができますよ。
1.プーのはちみつとり
2.イーヨーのあたらしいうち
3.プーあそびをはつめいする
「100年後も読まれる名作」シリーズ(KADOKAWA)
タイトル:『100年後も読まれる名作(6) くまのプーさん』
作者:A.A.ミルン
訳者:柏葉幸子
絵:patty
出版:KADOKAWA
発行:2017年
KADOKAWAの「100年後も読まれる名作シリーズ」は、『物語ガイドまんが』『カラー絵+ポスター』『読書感想文の書きかた』が盛り込まれた小学生向けのシリーズです。
角川つばさ文庫『飛ぶ教室』の挿絵も手がけるpattyのオールカラーイラストは、アニメっぽくて活字が苦手でもとっつきやすい印象です。
柏葉幸子による編集と翻訳で、物語のおもしろいところだけを抜粋していて、さくさく読むことができます。
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者、坪田信貴が教える『読書感想文の書きかた』がついているところもポイントです!
遺族が認めた続編
A.A.ミルンとE.H.シェパードのふたりがこの世を去った後、プーさんを愛する現代の作家たちが書いた続編が刊行されています。
遺族が認めた続編をご紹介するので、気になった方はチェックしてくださいね!
『プーさんの森にかえる』
2009年に刊行された「クマのプーさん」の正式な続編とされる『プーさんの森にかえる』(原題”Return to The Hundred Acre Wood”)です。
日本では2010年、こだまともこ訳で小学館より刊行されました。
正当な続編といわれていますが、もちろん作者はA.A.ミルンとE.H.シェパードではありません。
現在作家として活躍するディヴィッド・ベネディクタスによる物語です。
『プー横丁にたった家』で、クリストファー・ロビンが森からいなくなってから80年後を舞台に描かれています。
児童向けの単行本ですが、字は小さめで漢字も多く、大人でも読みやすいです。
マーク・バージェスの絵は、E.H.シェパードの画風を踏襲しており、オールカラーとなっています。
翻訳のこだまともこは青い鳥文庫の『クリスマス・キャロル』の翻訳もてがけています。
『世界一のクマのお話 クマのプー』
タイトル:『クマのプー 世界一のクマのお話』
原案:A.A.ミルン原案
デザイン:E.H.シェパード
絵: マーク・バージェス
文:ポール・ブライト他
訳:森絵都
出版:KADOKAWA
発行:2016年
2016年の『クマのプーさん』刊行90周年の年に刊行されたのが、『世界一のクマのお話 クマのプー』です。
こちらも正当な続編とされています。
イギリスで活躍する4人の児童文学作家が書き下ろした、春夏秋冬の4つの物語からなっています。
オールカラーの絵を手がけたのは、『プーさんの森にかえる』につづきマーク・バージェスです。
翻訳の森絵都は、角川文庫で『クマのプー』『プー通りの家』を手掛けています。
「クマのプーさん」の名言と魅力
クマのプーさんの魅力は、癒されるファンタジーの世界でありながら、哲学的な教訓も飛び出すところです!
こころに残る、プーさんの人生哲学。
ぜひプーさんの世界を堪能してくださいね!
クマのプーさん名言集
ここでは、クマのプーさんシリーズ全体から、名言や哲学的な格言といえる言葉をご紹介したいと思います。
人生とは解くべき問題ではなく、体験してゆく旅なんだ。
“Life is a journey to be experienced, not a problem to be solved.“
僕はチビでデブってる、でもそれが自慢なんだ。
“I am short, fat, and proud of that.”
もし君が100歳まで生きるなら、 僕は君より1日少なく生きたい。 そうすれば、君なしの日を過ごさなくてすむから。
“If you live to be a hundred, I want to live to be a hundred minus one day so I never have to live without you.”
いちばんお気に入りなことは何もしないということ。
“What I like doing best is nothing.“
いつだって僕のお気に入りの日は君と過ごした日だ。
“Any day spent with you is my favorite day.”
愛ってどうやって書くの?愛は書くんじゃないよ、感じるんだよ。
“How do you spell love? You don’t spell it…you feel it.”
今日はなんの日?今日は「今日という日」だよ。僕の「お気に入りの日」さ。
“What day is it,?” “It’s today” “My favorite day”
忘れないで。君は自分で思うより勇敢だし、強いし、頭がいい。
“Promise me you’ll always remember: You’re braver than you believe, stronger than you seem, and smarter than you think.”
君が必要なんだ、いつだって僕たちは君が必要なんだよ。
“we need you, we always need you.”
クマのプーさんが教えてくれること
「クマのプーさん」の魅力、読んで感じたことをお伝えしたいと思います。
気にしなくていい
クマのプーさんの好きなところは、気にしないところです!
もちろん、失敗して落ち込むこともありますが、引きずらないのがプーさん流。
「ぼくは、ばかだった、だまされてた。ぼくはとっても頭の悪いクマなんだ。」
引用元:『クマのプーさん』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年
「きみは、世界一のクマさ、」クリストファー・ロビンが、なぐさめるようにいいました。
「そうかしら?」と、プーは少し元気になり、それから、きゅうに元気いっぱいになると、「ともかくも、もうかれこれ、おひるの時間だ。」と、いいました。
なんだか元気をもらえますよね!!
素直に伝えよう
クマのプーさんを読んでいると、素直に伝えることの大切さに気づきます。
クリストファー・ロビンは、プーが大好き!
思ってるだけでなく、素直に言葉で伝えているところが素敵です。
「ああ、プー・クマ!」と、クリストファー・ロビンはいいました。
引用元:『クマのプーさん』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年
「ぼくは、きみがとってもすきなんだよ!」
「ぼくだってさ!」と、プーはいいました。
クリストファー・ロビンの気持ちに、素直に答えるプーも素敵ですね。
ぜひ見習いたいものです。
わかってるふりしてもいい
よくわかってないんだけど、なんとなくわかっているふりするときって、誰にでもありますよね?
『クマのプーさん』でも、そんな場面がたくさん出てきます。
例えば、クリストファー・ロビンが話すゾゾ(ゾウのこと)を知らないのに知ってるふりをするプーとコブタの場面がありました。
「ぼくも見た。」と、プーがいいました、ゾゾって、どんなもんだろうなとかんがえながら。
引用元:『クマのプーさん』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年
「そんなにちょいちょい見るもんじゃないさ。」と。クリストファー・ロビンが、またなんでもなさそうにいいました。
すると、コブタが「いまはね。」と、いいました。
「いまは、時期はずれだから。」と、プーもいいました。
必ずしも、100%全て理解することが重要ではないのですね。
飽きたらやめてもいい
飽き性な私は、よく自分で責めていました。
最後までやり抜くのが良いことで、飽きてやめちゃうのは良くないこと!
でもプーさんの世界では、途中で終わってもよいと肯定してくれている気がします。
クリストファー・ロビンがノース・ポール(北極)を目標に、森のみんなを集めて探検にでかけるお話がありました。
でも、実は、クリストファー・ロビン自身も、ノース・ポールって何のことなのかわかっていないのです。
「プー。」と。クリストファー・ロビンはいいました。
引用元:『クマのプーさん』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年
「きみ、その棒、どこで見つけた?」
プーはじぶんのもっている棒を見ました。そして、
「ぼく、ただめっけたんです。それで、役にたつだろうと思って、ひろってきたんです。」
「プー。」クリストファー・ロビンは、おもおもしくいいました。
「探検はおわった、きみは、北極を発見したんだよ。」
「ああ!」と、プーはいいました。
プーが川で見つけた棒を「ノース・ポール」とみなし、発見したと堂々と宣言するクリストファー・ロビンです。
飽きちゃったら、こんな風に「最後までやった」ふりでも良いのかも?
どの個性も素敵
「クマのプーさん」は、プーとクリストファー・ロビンだけの物語ではありません。
たくさんの個性豊かなキャラクターたちがいて、それぞれのキャラクターが、正反対に違っているのも魅力です。
例えば、楽観的なプーに対して、悲観的なイーヨー。
物知りのフクロと、頭の回転がにぶいプー。
仕切りたがりのウサギに、気の小さいコブタなど。
みんながありのままで、それぞれの個性として受け入れられています。
一般的には、長所や短所と言われそうですが、プーさんの世界では素敵な個性なんですよね!
そのままでいい
クマのプーさんの世界は、ほのぼのしていて平和で幸せな空間。
みんなありのままで、やさしいのです。
そのままでいいんだとプーと仲間たちが呼びかけてきます。
おわりに
子どものころから大好きなクマ、プーさんのお話をご紹介しました。
ディズニーのプーさんがあまりにも有名ですが、原作も負けずに素敵なストーリーですよ。
心温まるおはなしなので、ぜひ手にとってみてください!
小学生から読める児童小説ですが、絵本もありますし、大人から子どもまで楽しめる作品です。
プーさんの世界にぜひ癒されてみてください!
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